去る2月4日、奥州市前沢区の
ロレオールにて、
『第2回 風土・Food・風人』が開催されました


“
風土・Food・風人”とは

岩手の風土を愛し、地産を食し、岩手の人と風人(他の土地から来た人)と語り合う。
ローカルが輝くイベントなんです

震災以降、どうしても地元の元気がない、岩手を愛している料理人や地元の人、地元以外の人、皆で地元を盛り上げよう!と、多くの方のご理解とご協力により第2回目を開催する事となりました。
(第1回目の様子は
コチラから。)
2回目の今回は、地元に根付いたものにしようと、「
岩手」→「
米所」という事で、「
お米」に注目したイベントとなりました。
会場でもあるロレオールに到着し、受付を済ませるとすぐ、豆を渡されました。

前日の2月3日が節分だったので、まずは豆まきから

「鬼は〜外

」
「福は〜内

」


入口に飾られたミズキ団子に見守られつつ、思い思いに豆を投げます



豆まきをしながら目を転じると、そこには



つい期待に胸も鼻も膨らみます

そして豆まきも終了し、ロレオールの中へ。
入口付近では「マルシェ(市場)」も開催中ですが、まずは中へと進み、席に着きます。

新幹線の都合で東京からいらっしゃる方がちょっと遅れたりもしましたが、無事揃い、講演会のスタートです。
初めにお話しを聞かせてくださったのは、えさし郷土文化館館長の相原康二さん。

えさし郷土文化館館長であり、考古学者でもある相原さんが、考古学者の立場から岩手のお話しを聞かせてくださいました。
昔は、「発掘が岩手の発展を遅らせる」と言われ、新幹線や高速道路建設の際に色んな確執があった事、震災以降、また「発掘が岩手の復興を遅らせる」と言われてしまっている事、それでも文化財の調査・研究も含めての発展であり復興であるとのお考えを聞かせていただいたり。
昔のごみ捨て場だと言われていた「貝塚」が、近年、それだけではなく、捨てた物がまた自分の元に戻ってくるように再生・回帰を願った場所ではないか、だから色々な化石(人骨含む)が出てくるのではないかという話には、なんだか妙に納得したり。
生牡蠣を食べワイン(果実酒)を飲んでいたというお話や、漫画で見るようなみすぼらしい服装ではなく、模様付の編み物のような服を着用していたというお話しや、縄文の社会は思っている以上にシステム化された複雑な社会かもしれないというお話しを聞き、なんだか現代社会と変わらなくておもしろいな〜と思ったり。
難し過ぎない内容で、もっと聞きたい!と思うような事を沢山聞かせていただきました。
時間が来てしまったのが勿体ない

ここでちょっと休憩を挟み、お次は岩手県食の匠の吉田ソヨ子さん。

吉田さんのお話しで特に印象深かったのは、吉田さん流
『ほっこり哲学』「そこでとれる物はそこで食え」
「その節にとれる物はその節に食べろ」(その節=旬、旬の物はその時期に体が求めている物)
「食べる物を作る事に手間ひまを惜しむな」
自然に逆らう事なく、自然に寄り添って生きる事の大切さを教えていただきました

そして、お話しの合間に少しずつ準備は開始されます。



次第にそわそわとしてくる会場内の人々。
ここでまた休憩を挟み、その間に昼食の準備となります。
会場の外ではぬか釜で炊くご飯が良い具合に湯気を上げ、見守る牛さんも心なしか待ち遠しそう



そしてお待ちかねの昼食タイム、お料理の登場です



『岩手でほっこり 手間・ひま・時間を楽しむ冬ごはん』がテーマの今回、ロレオールの伊藤シェフの凍み豆腐の煮物、千鶴子さんの凍み大根の煮つけ、やまんばの漬物などなど、地元食材をふんだんに使い、手間もひまもかけた料理がズラリと並びます

ご飯は三種類。
ぬか釜で炊いた江刺金札米と↓

伊藤シェフが南部鉄器で炊いた江刺金札米と久仁江ちゃん家のほんにょ米↓

ここで元江刺農協稲作部会長の小泉公基さんによるご飯のお話しがあったのですが、皆様ご飯に夢中です(笑)
3つもあるご飯があっという間にこの通り↓


勿論、これだけではありません。
こちらは、洋食のシェフである伊藤シェフが作ったお味噌汁2種。
滅多に口に出来ない貴重なお味噌汁でした


そして、伊藤シェフ自ら目の前で調理して見せ、更に1ポイントアドバイスまでいただいたほうれん草のソテー。

あれもこれもと目移りし、気が付くとお皿にいっぱいの料理が並んでしまいました

お腹もいっぱいになり、今度は「マルシェ(市場)」でお買物。



こちらでも目移りしながら皆様お買物を楽しんでいらっしゃいました


会場に戻ると今度はデザートが







アレ、もうお腹いっぱいと思ったのに、気が付いたら勝手に手が伸びる…


どれも本当に美味しくて止まらない

こちらは南部鉄器で淹れた衣川のハトムギ茶。
香ばしい香りと味で、後味すっきり


ようやくお食事も終わり、お次は食事の際の器としても活用されていた増沢塗りのお話しを及川守男さんより伺いました。
(増沢塗りにつきましては、
コチラの過去の記事もご覧ください。)



こんなに美しい増沢塗り(漆塗り)、しかし製作には手間もひまもかかる為、どうしても衰退しがちですが、及川さんは、どんな用途で・どんな思いで使うのか等、注文主のお話しを聞き、求めている物を作る事で顧客の信頼を得て来た事や、1日中作業にかかるのではなく、例えば午前中に作業をしたら、午後は訪ねて来た人をたくさんのお話しをし、その人の生き方や人生訓等を聞いて吸収し、ご自分の糧として良い作品作りへと繋げている事などを聞かせてくださいました

色んなお話しを聞き、美味しい物を食べ、大いに語らい、楽しかった時間もとうとう終わりに。
最後に、今回ご協力いただいたスタッフの皆様が紹介され、主催のふうど実行委員会長の伊藤シェフよりご挨拶をいただき、お開きとなりました



ゆったりとした時間と、地元の食材で作った冬ご飯を心行くまで堪能した時間でした

第3回、第4回と回を重ねて行きたいと実行委員の方が口々に言い、参加者も大きく頷く素晴らしいイベント『風土・Food・風人』。
皆さん、次回は是非参加してみてください

※『風土・Food・風人』の開催については、及川久仁子さん(ふうど実行委員・及源鋳造且ミ長)が
自社HPにてお知らせくださるようです。※
posted by 奥州市観光物産協会スタッフ at 08:00|
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