2012年12月19日

企画展『増沢塗の軌跡』

奥州市胆沢区の胆沢文化創造センター内にある“郷土資料館”で行われている

『増沢塗の軌跡』 企画展に行ってきました。


企画展『増沢塗の軌跡』では、漆器製造に関する資料を展示し、

増沢塗創業から増沢ダム建設によって住民が胆沢区愛宕を

中心として各地に移転するまでの、増沢塗の歴史を紹介しています。


『増沢塗の軌跡』は平成25年1月31日(木)まで展示しています。

(9時〜17時(ただし入館は16時30分まで)。






こちらは、「文久三亥歳七月吉日揃い椀箱二十人前 岩松持用」(文久3年(1863年)と墨書された椀箱と揃い椀。


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文久3年(1863年)は増沢塗創業6年前にあたり、約150年もの月日が経った今でも

とってもキレイな保存状態ですねぴかぴか(新しい)





本膳料理での、膳と椀。

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婚礼や葬儀など、多くの人が集まる席には塗の膳や椀が欠かせませんでした。

冠婚葬祭は自宅で行われていた為、

参加者の膳や椀を地域で必要な時に貸し借りしていたそうです。







増沢塗吸椀です。

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奥州市域では江戸時代まで主に会津塗が流通していました。

加飾技術が多彩な会津塗に対して、創業当社の増沢塗は加飾がなかった為、

簡素で低価格な製品として庶民層を中心として普及していきます。


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増沢塗は近郊農村を中心に顧客としていたので

胆沢平野・衣川・江刺地方を中心として岩手県南地域が販売の対象でした。






四ツ椀組。(写真下段)

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農民が使う膳椀は主に冠婚葬祭用で、20人前を一組として、

秋の収穫が終わった後に納品されました。

現在でも奥州市域の農家などでは増沢塗の膳、椀、重箱類がみつかります。











増沢塗を作る工程。

工程順は、上段から下段へ。右下が完成品。

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木地から上塗りまで、全部で9段階もの工程があります。

増沢塗創業時の職人が会津出身だったため、

会津の職人との交流を経て、増沢塗が誕生したそうです。






増沢塗製作に使用された道具。

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印毛という膳や重箱に漆を塗る道具や

漆掻きの道具など、様々な道具が展示してありました

増沢塗は水を使わないため、木地が水分を吸い込まず、

歪みにくいという長所があるそうですexclamation





こちらは 秀衡塗

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“秀衡塗”は大正5年(1916年)に当時の盛岡市長が

盛岡の「南部塗」に新しく命名したものだそうです。

秀衡塗は技術、意匠の工夫を重ね、増沢でも昭和10年代に

岩手県工業試験場の指導で荒沢、摺沢、盛岡、水沢、衣川と

県内複数の産地で同一価格で生産されていました。





胆沢区若柳で漆器工房を今も営む及川守男さんは、最後の増沢塗職人です。

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及川守男さんは平成20年に“古秀衡椀”を、その当時の技法に近い方法で復元したそうです。



※「古秀衡椀」とは、中世に作成され古い物は室町時代までさかのぼると考えられています。

岩手県南部から宮城県北部の旧家に多く残されていますが、

産地などはわかっていません。漆絵と金箔を用いて加飾が施されています。





こちらは、郷土文化資料館の常設展示の様子です。

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稲作と耕地開発の進展と技術。

なんとこの米俵は60キロもありますexclamation

米俵を持ち上げると一人前と言われていた時代・・・

持ち上げる体験もできるんですふらふら

その他にも古絵図、角塚古墳、近代の農具、

仏教文化などのコーナーが設けられています。




これは国道397号線沿いにある前方後円墳“角塚古墳”の模型です。

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この古墳は日本最北端の前方後円墳で有名ですねぴかぴか(新しい)


当時はこんな形をしていたんですね〜exclamation

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なんと側面には、土器が並べられていたらしいですよ〜目






郷土文化資料館も、見ごたえ満点でするんるん

是非お越し下さい車(セダン)





***お問い合わせ***
胆沢創造文化センター

岩手県奥州市胆沢区南都田字加賀谷地1-1

営業時間:9:00〜21:00(チケットの取り扱いは18時頃まで)

電話0197-46-2133  FAX:0197-46-2135

休館日:毎週月曜日 (年末年始:12月29日(土)〜1月3日(木))


入館料:区 分    個 人         団 体
        
           小中学生 50円      1人30円       
        
           高大学生 100円     1人50円
         
           一 般   200円    1人100円
          
         (※市内小中学生は無料です。団体割引は15人からになります。)



posted by 奥州市観光物産協会スタッフ at 08:00| イベント情報
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