奥州市水沢区の吉小路にある銘菓処 高千代さんを訪問してきました



店内にはクリスマスシーズンらしくかわいらしい演出があちこちにあり、思わず楽しくなりました




高千代さんは今年で創業98年目。現在の社長である高橋一隆さんにお話を伺いました。
和菓子も洋菓子も味に定評のある高千代さんは、開業当初はあめや駄菓子を販売していたそうです。

その後、二代目で和菓子製造を始め「あんドーナツ」や「くるみ饅頭」が誕生


くるみ饅頭は、香ばしいくるみをのせた白あんのやきまんじゅう。
あんどーなつは、和菓子屋ならではのこだわり飽と しっとりとした生地が相性ぴったり。
3代目のときにカステラやゆべし、今でも人気の「焼石の雪」が発売されました


「焼石の雪」は、こしあんを入れたアーモンド風味の生地にホワイトチョコをかけたお菓子です。
そして現在の社長が最初に考案したのが「そばおやき」だそうです


厳選した韃靼そば粉と上新粉を丹念に搗いたお餅で、自家製餡のさらっとしたこし餡を包み、黒胡麻をつけて、香ばしく焼き上げています。
仙台で5年間の修行ののち、家業を継いで最初に作った「そばおやき」のときのことを振り返りながら
「がむしゃらで。右も左もわかりませんでしたから(笑)でもなんとか今も店頭に並んでます」と社長は語っていました。
以前に食べた豆大福の薄紫のつぶあんが今でも忘れられないと伝えると、
「『あん』が美味しいのは使う砂糖が上質のものだからです」と教えてくれました。

先代が使っていた伝統工芸品の岩谷堂箪笥は、修理されて店内を飾っています

冬の楽しみはやっぱりクリスマスケーキですね



みなさんはもうお目当てのクリスマスケーキは予約しましたか


「クリスマスケーキは例えると『通信簿』のようなもの。
クリスマスシーズン以外の日々の努力がお客様からの評価となって
ケーキの予約をいただけていると思ってますよ」と社長。
なるほど
たしかに、あそこのケーキは美味しかったからクリスマスはあそこにしようって思います

高千代さんが作るクリスマスケーキはおよそ850台


それも年々予約は増えているそうです。
和菓子は社長が担当、洋菓子は社長のお姉さんが担当していますが
この時期は従業員全員でケーキ作りをするため、社長も和菓子職人からケーキ職人に転職するとか。

こちらは一番人気の「和栗モンブラン」

国産栗を使用したしっとりなめらかなモンブランクリームがサクサクのビスキュイの上にのった触感も楽しいケーキです


高千代さんの店内では喫茶コーナーもあり、あんこ(丹波大納言)、寒天、黒蜜にいたるまで自家製のものを使用したあんみつや、おしるこ、みつまめ のほかに、その場でショーケースからケーキもお選びいただけます


地元に密着した高千代さん、ときどき近所の保育園児たちがお散歩しにやってくるのでお菓子をプレゼントしてあげるそう

その日はスタッフも園児の喜ぶ顔が楽しみなんだとか

ちょうどこのとき話題に出たのが
京都の与謝野町立岩屋小学校の児童が奥州市内の市民ボランティア団体「奥州♡絆の会」に
栽培したサツマイモ80Kgを託し水沢菓子組合が菓子に加工し、出来上がった1500個の菓子は陸前高田市広田町の小中学校と保育園に届けるというお話でした。(2012年11月29日に届けられました)

ボランティアで協力したのは、水沢菓子組合の高千代、パン工房マルキ、ガトージョージ、
柳屋、黄金製パンと、砂糖や卵など材料は地元の取引先から無償で提供されたました。
京都の子どもたちと陸前高田の子どもたちを笑顔で結んだのは、高千代の社長の迅速な行動で実現したそうです。
高千代さんが考える菓子作りはサプライズがあること。
そして菓子で日本の四季を表現したいと、社長は語ります。
年間で最も忙しいのはクリスマスシーズンかと思いきや、実は3月。
ひなまつりは桜餅、ホワイトデーは焼き菓子、卒業式にはケーキ、引っ越しや異動では箱入りギフト商品がよく売れるそうです。
どの商品も「食べてみたい」「贈りたい」と思われる地域に愛される高千代のお菓子。
ぜひ一度味わってみてください


(有)銘菓処 高千代
岩手県 奥州市 水沢区 字吉小路18番地
電話/FAX 0197-23-7726 / 0197-23-7729
定 休 日 なし
営業時間 09:30 〜 19:00